烏合の衆 2012 6 2

 3年連続の欧州危機である。
おそらく、来年も、欧州危機は、やってくるでしょう。
 このように書くと、よほど解決困難な危機に思えるでしょうが、
実は、それほど困難な危機ではありません。
欧州の事情(政治)が、危機を解決困難にしているだけです。
欧州は、危機の時に、「烏合の衆」になってしまうからです。
 これは、アメリカと比較すると、よくわかるでしょう。
アメリカの場合は、危機の時、
大統領かFRB議長が決断すれば、それで済む話ですが、
欧州の場合は、誰もリーダーがいない状態です。
危機の時でも、意思決定には「全会一致」などと、やっていますから。
 このような政治事情は、日本も同じです。
国政の重要なテーマなのに、その意思決定を、
地方自治体の選挙結果にゆだねてしまうことがありました。
 この調子では、日本政府は、
日本が国際紛争に巻き込まれた時でも、
「地方自治体の意向を聞いてから決断する」とやってしまいそうで、
実に、怖いものがあります。
 国益を左右する重要な問題は、
地方自治体が何と言おうと、
決断すべきときは決断しなければならないのです。
 さて、来年も、欧州危機で大騒ぎとなるでしょう。
これは、来年どころか、世界が欧州の存在を忘れるまで続くでしょう。
 かつて、「欧州大統領制度」を創設する時、
欧州の首脳たちは、いかにして欧州大統領の権限を弱めるか腐心していました。
欧州大統領の権限が強力になると、自分たちが州知事レベルになってしまうからです。
 つまり、強力に政治統合を推し進めれば、
自分たちが、ドイツ州知事、フランス州知事になってしまうことを恐れたのででしょう。
しかし、その結果、欧州は、危機の時に、「烏合の衆」となってしまいました。
 「烏合の衆」(中国の後漢書から)
規律もなく統一もなく寄り集まった群集という意味です。
































































































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